引き寄せの法則で復縁はできるのか?願うだけでは彼女もできなかった悲しい結論

引き寄せの法則で復縁はできるのか?願うだけでは恋愛が叶わなかった悲しい結論をテーマに、不安げな表情で考え込む女性を描いたイラスト。

結論から言う。引き寄せの法則で、僕は復縁できなかった。願うだけでは、復縁どころか彼女もできなかった。ただ、引き寄せは全部ウソだ!と切り捨てる気にもなれない。叶ったこともあるからだ。この矛盾を抱えたまま、どこまでが当てにならず、何が残るのかを考える。

目次

結論は「願うだけでは復縁できない」

僕は願った。そして何も起きなかった

先に言っておく。僕の復縁は、引き寄せでは実現しなかった。

願ったし、信じようともした。それでも状況は動かなかった。ここで信じ方が足りない、と言われるのが、引き寄せのいちばんたちの悪いところだ。叶えば法則のおかげ、叶わなければ本人の責任。どう転んでも法則は無傷でいられる。

復縁どころか、彼女もできなかった

もっと痛い話をする。願うだけで過ごしていた間、新しい彼女もできなかった。

特定の一人に絞った願いが外れるのは、まだ分かる。相手がいる話だからだ。しかし恋人が欲しい、という、相手を指定しない願いまで叶わなかった。こうなると、問題は願いの中身ではない。願うだけという方法のほうにある。

それでも「ない」と言い切れない

では引き寄せは全部ウソなのか。僕はそうは言えない。叶ったことが実際にあるからだ。

ただ、それが願ったから叶った、のか、叶ったから、あれは願っていたことにした、のか、自分でも切り分けられていない。切り分けられないものを、ある・ないと断言するのは誠実じゃない。僕の立場はこうだ。願うだけの引き寄せは当てにならない。一方で、願うことが人の動き方を変える部分は認める。

復縁に引き寄せが効きにくい4つの理由

相手の気持ちは、こちらの願いでは動かない

いちばん大きいのはこれだ。復縁は自分だけでは完結しない。

仕事や貯金なら、結果の大半は自分の行動で決まる。復縁は、相手がもう一度と思わなければ成立しない。引き寄せで相手を動かせると考えるのは、相手の意思を無いものとして扱うことになる。優しい願いに見えて、実はかなり一方的だ。

別れた原因は、願っても消えない

別れには理由がある。願ってもその理由は消えない。

価値観のズレ、すれ違い、言ってはいけない一言。原因が自分の側にあるなら、変われるのは自分だけだ。原因を見ないまま、また一緒になれる、と唱えても、同じ場所に戻れば同じ理由でまた別れる。復縁がうまくいかない人に足りないのは、願いの量より原因の直視だと僕は考えている。

「待ち」の状態が、時間を消費する

引き寄せ派の復縁は、構造上待ちになりやすい。

叶うと信じるほど、動かなくていい理由が増える。連絡を取る必要も、自分を変える必要も、人に会いに行く必要もない。宇宙が整えてくれるのだから。僕が彼女すらできなかった理由は、おそらくここにある。時間だけが過ぎ、待っている間に相手の生活は先へ進む。

「手放せば叶う」は、いちばんずるい言い訳

引き寄せ界隈には、執着を手放したときに叶うという定番の説明がある。願え、でも執着するな。冷静に読めば矛盾している。

忘れた頃に連絡が来た、という体験談は確かにある。ただ、あれは時間が経って相手の気持ちが落ち着き、自分も追わなくなった結果で、普通の説明で足りる。叶えば「手放せたから」、叶わなければ「手放しきれなかったから」。どちらでも説明できる理屈は、説明ではなく言い逃れだ。

心理学の研究は「願うだけ」に厳しい

うまくいく空想は、エネルギーを下げる

ここは感想ではなく研究の話になる。

心理学者のカッペスとエッティンゲンが2011年に発表した4つの実験がある。望む未来がうまくいく場面を空想した人は、その未来に疑問を向けた人、ネガティブに空想した人、中立的に空想した人よりも、生理的・行動的なエネルギーが低かった。さらに、切実な欲求について空想した場合のほうが、エネルギーの低下は大きかった。

叶った気分に先に浸ると、頭と体がもう達成した、と受け取って力を抜く。復縁のように切実な願いほど、この罠にはまりやすいということになる。著者らは論文で、恋い焦がれる人が相手に近づくエネルギーまで奪われかねない、とまで書いている。

恋愛でも、同じ傾向が出ている

恋愛を扱った研究もある。同年代に片想いしている学生を調べたところ、うまくいく空想を強く描いていた人ほど、実際に交際を始められる度合いが低かった(Oettingen & Mayer, 2002)。

エッティンゲンは、ダイエット中の人、就活生、恋人を探している人などを長く調べてきた。その結果、空想が強いほど成果が出にくい傾向があると語っている。恋人探しの場合は、孤独な期間が長引きやすかったという。僕が願うだけで彼女もできなかった話と、方向は合っている。

ただし、これを「科学が引き寄せを否定した」と読むのは雑だ

ここは辛口でいく。この研究を持ち出して引き寄せを論破した気になる人も、同じくらい雑だ。

  • 対象はうまくいく空想であって、引き寄せの法則そのものを検証したものではない。
  • エッティンゲンは、空想と、過去の経験にもとづく「期待」を別物として扱っている。期待のほうは、成果と結びつく結果が出ている。
  • 2002年の研究は自然に浮かぶ空想と成果の関連を見たもので、空想がエネルギーを下げるという因果は、2011年の実験で確かめられた。

つまり研究が言っているのは気分だけ満たして止まると危ない、までだ。願うことそのものを禁じてはいない。

それでも「叶った」と言う人が絶えない理由

叶った話だけが、語り継がれる

叶った人は語る。叶わなかった人は黙る。この非対称があるから、世に出回る引き寄せの体験談は成功例に偏る。

叶わなかった話は、成功談より書きにくい。僕も今、書きにくい。それでも書くのは、失敗側の記録が足りないからだ。

願った人は、無意識に動いている

願いが具体的になると、人の動き方は変わる。

欲しいものがはっきりすれば、目に入る情報が変わり、受ける誘いと断る誘いが変わる。宇宙が引き寄せたのではなく、本人の注意と行動の向きが変わっただけだ。小さな変化でも、これは本物だと僕は見ている。引き寄せに救える部分があるとすれば、ここだ。気分だけ満たして止まれば、さっきの研究どおり、この効果も消える。

叶った経験は、数えない限り証拠にならない

叶ったことは、僕にも確かにある。でも、それを引き寄せの証拠にはできない。

叶った願いは覚えていて、叶わなかった願いは忘れる。これは人間の記憶の癖だ。叶った経験は、願った総数と並べて初めて意味を持つ。数えないまま語る体験談は、僕のものを含めて、証拠としては弱い。

賛否が割れるのは、「引き寄せ」の中身がバラバラだから

「宇宙への注文」派と「思考の習慣」派がいる

割れる最大の理由は、同じ言葉で違うものを指していることだ。

ひとつは、願えば宇宙が現実を用意してくれるという考え方。もうひとつは、思考と注意の向け方が行動を変え、結果として現実が変わるという考え方。前者は検証のしようがなく、僕の場合は外れた。後者はある程度、筋が通っている。両者が議論しても、前提が違うので永遠に噛み合わない。

証明も反証もできない作りになっている

叶えば法則の成果、叶わなければ信じ方の不足。どちらの結果が出ても主張が崩れない。

反証できない主張は、強いのではなく、使えない。信じる人は自分の経験であると言い、信じない人は自分の経験でないと言う。どちらも嘘ではない。割れて当然で、決着をつける材料が最初から用意されていない。

復縁は、感情の重さが判断を曇らせる

復縁は、ほかの願いより切実だ。切実なほど、人は叶う、と言ってくれる話を信じたくなる。

だから復縁ジャンルでは、肯定する情報ほど支持され、否定する情報には反発が出る。願うだけで過ごしていた頃の僕は、肯定する情報ばかり選んで読んでいた気がする。信じるか信じないかは、論理より、その人がいま何にすがっているかで決まる面が大きい。

復縁を本気で狙うなら、引き寄せはこう使う

願いは「注文」ではなく「行動の燃料」にする

使うなら、この位置づけしかないと思う。

戻りたい、という気持ちは、動くための本物の燃料になる。ただし、叶った場面を想像して満足するところで止めない。想像するなら、うまくいく場面より、うまくいかない場面を細かく想像する。連絡しても返事が来ない。会って気まずくなる。そのときどうするか。そこまで考えて、願いは初めて行動に変わる。

障害と対策を先に書き出す

エッティンゲンが提唱しているWOOPという方法が、いちばん現実的だった。Wish(願い)、Outcome(叶った結果)、Obstacle(障害)、Plan(対策)の4つだ。

  • 願い:もう一度、信頼し合える関係に戻りたい
  • 結果:穏やかに会って話せる状態になる
  • 障害:別れた原因になった自分の言動(具体的に書く)
  • 対策:「もし〜になったら、〜する」の形で決める

復縁に当てはめると、最大の障害はたいてい別れた原因だ。ここを書き出せないなら、願う前にそこを直すほうが先だ。

やらないほうがいいこと

  • 叶うと信じて、何もせず待ち続ける
  • 相手が断っているのに、連絡や接触を重ねる
  • 復縁を保証するサービスにお金を払う

復縁を保証する商売は信用しないほうがいい。相手の意思が絡む以上、誰にも保証できない。それから、相手が明確に拒んだなら、そこで引くこと。願いがどれだけ強くても、それは相手に近づく権利にはならない。

総評

復縁は、願うだけでは叶わない。僕がそうだった。そして研究を読み直して、それが僕個人の運の悪さではなく、よくある失敗の型だと分かった。

  • 願うだけの引き寄せ:復縁にはほぼ使えない。僕は外した
  • 行動の燃料としての願い:使う価値がある。ただし障害と対策がセット
  • 叶った経験:証拠ではない。願った総数と並べて初めて意味が出る

叶った経験があるなら、その前後に自分が何をしていたかを書き出してみてほしい。願いの横に、必ず行動が並んでいるはずだ。引き寄せの価値があるとすれば、そこにしかないと僕は思っている。

出典

  • Kappes, H. B., & Oettingen, G. (2011). Positive fantasies about idealized futures sap energy. Journal of Experimental Social Psychology, 47(4), 719-729.
  • Oettingen, G., & Mayer, D. (2002). The motivating function of thinking about the future: Expectations versus fantasies. Journal of Personality and Social Psychology.
  • Sevincer & Oettingen (2014), 未来思考に関する章(ハンブルク大学公開PDF。2002年研究の恋愛に関する結果の参照元)
  • NPR Hidden Brain「WOOP, There It Is! 4 Steps To Achieve Your Goals」(2016)
  • British Psychological Society, Research Digest「Why positive fantasies make your dreams less likely to come true」(2011)
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